園長のちょっとジェラシー

玄関前に立っていると、車から降りるや否や笑顔で私のところに走ってきていつも抱きかかえられる園児がいます。私の腕の中で、いつもご機嫌に笑ってくれます。

ところがその園児が保育中に高熱を出しました。ご家族に連絡をしてお迎えを職員室で待つことになりました。はじめはベッドに寝ていましたが、苦しいのか泣き始めます。そこで、保育士に抱っこされました。はじめはぐずっていましたが、やがて泣きやみました。

少し時間が経ったので、私が代わろうとその子に近づき、両手を差し伸べたのですが私に背を向け泣き始めました。あれ?いつもならすぐ来てくれるのに・・・。再度試みましたが、今度は保育士のシャツを力いっぱい握りしめ、絶対に離れようとしません。挫折感と保育士(これがプロだ)に脱帽した瞬間でした。

今朝、母親に抱かれて園に来てくれました。その子はすでに泣いていました。

「園長先生が抱っこしようか・・・。」

抱っこすると火がついたように泣き出し、母親を求めます。すぐに母親に返しました。その後、母親は玄関に入り保育士へ渡そうとします。私はだめでも、保育士なら大丈夫だろうと見ていると、同じく泣いていました。

その子にとって安心できる場所は、園長 ⇒ 保育士 ⇒ 母親なのですね。

まあ当然なことなのですが、ちょっとジェラシーの朝でした。

                       吉田園長